東京での知人に長野県の御代田に移住したと言うと、たまに「さびしくない?」と言われることがある。単に知り合いの少ない土地で寂しいという意味だけではなく、お店や施設が少なくて夜が暗い環境が、ものさびしかったり不便だったりしないかという意味も含むらしい。
これまでのところ深刻な不便やさびしさは感じていないけれど、強いて言うなら映画館と花屋さんだろうか。どちらも一応このエリアにもある施設だけれど、映画館は今あるようなシネコンではなくて、単館系の映画が見られるミニシアターが近隣にあればなあと思うことがある。今のところの選択肢は上田市、長野市、高崎市でまあまあ遠い。
花屋さんは、駅構内や駅からの帰り道の商店で、ふと目に付いた300円とか500円のミニブーケとか一輪だけとかを買って帰るのがちょっとした気晴らしだった。おそらく青山フラワーマーケットがカジュアルで物欲をそそるヨーロッパにありそうな花屋さんのスタイルを開拓した影響で、他のチェーン店や街の花屋さんもおもて側にはそんな陳列をしていることが多くなったが、このあたりではまだそういう花屋さんがあまりない気がする。
そして車移動ばかりだと「ふと目について買う」という行動が起きにくいという自分側の理由もある。
この観葉植物は、そんなふうに花でも買うかと立ち寄った神楽坂の商店街の花屋さんで10年前くらいに買った。見切り品700円で店先に出されていた小さい鉢だったが、だんだん大きくなって鉢を大きくしていった。そのあとに住んだ部屋では、ベランダの環境が適していたのか葉も巨大化して株が殖えたので、分けて友人にあげたりもした。
御代田に来てからは、気温が低いせいか葉っぱも小さめになり、茎ばかりひょろひょろしていると思っていたが、知らない間に根っこが育って窮屈になっていたので、去年に二鉢に分けた。ちなみに700円どころじゃない、なかなかいいお値段の鉢底吸水タイプの鉢を購入しています。
その一方の株の鉢に、夏の後半から芽が出てきた。雑草には見えない肉厚の芽なので、もしかしたら数年ぶりの新しい株が出てきたのかと、そのままにして見守ってきた。
そうして1ヶ月近く経ち、葉もしっかり開いて枝も増えてきたのだが、なんだか本体と葉の形が違うんですよねえ。。でもあきらかに雑草ではないし、本体に似たしっかりした質感。新しい株じゃなくて、新種が出ちゃったのか?このさき大きくなると葉の形が変わるのか?
この秋の小さな謎です。