先週、ようやくきゅうりとミニトマトの初収穫があった。今年は5、6月を慌ただしく過ごしてしまい、夏野菜の植え付けもそのあとのお世話もスロースタートだった。くわえて、ビニールのマルチを敷かなかったので、地面の温度もマルチに比べると上がらないらしく、植えたあとも成長はゆっくり。
きゅうりの苗は、「八町きゅうり」という品種を種から育てている方からいただいて植えた。須坂で作られた品種で、信州の伝統野菜に認定されているらしい。
5月に植えたあと、いちおう根はついたものの、全然成長しなくて草に埋もれて、どうなることかと思ったが、雑草の大整理をして支柱を立ててやった途端にぐいぐい伸びて、太り過ぎくらいの実ができた。
動物ではなくて植物とはいえ、雑草を取ると次の日には急に元気になっていたり、支柱を立てて数日後には、巻きひげで支柱を探り当ててぎゅっと握りしめていたり、生き物としての意思があるように感じてしまう。
「ちょっと仕事の山を越えて、とはいえ引き続き渦中なんだけど、息抜きも必要だし、ぶらっと行ってみようかな」という先輩がほんとに東京からぶらっと遊びに来てくれて、短い時間になってしまったが近所をご一緒することになった。
前の晩に電車の時間など確認の連絡が終わった後、ふと思いついて「未舗装の地面が多いから多少土がついても良い足元でどうぞ!」とメッセージしたら、ありがたがられた。以前に東京から夏に遊びに来た友人の足元がサンダルで、行く先々の草むらや砂埃の地面やらでちくちくじゃりじゃりしていないか、虫に刺されないかと、心配になったのを思い出してのことだった。まあそういうのを気にせずサンダルで動き回る地元の人もいるけれど、私自身は東京にいた時に比べ、めっきりサンダルを履かなくなった。
しばらく前に実家のほうに訪ねてきてくださった方も、庭を案内したら、土の上を歩くのなんて何年ぶりかしら、、、とつぶやいていらした。緑ゆたかな公園にときどき行ってはいても、実は整備された歩道を歩いていたんだわ、実際に歩いてみて感触に驚いたもの、というお話だったように記憶している。たしかに自分のことを振り返ってみても、埼玉の実家では河原が近くて犬を飼っていたので野原のようなところを歩く機会はそれなりに多かったけれど、大人になって東京で暮らしているときは、むきだしの土の上を歩くのは、工事中の現場の敷地内くらいだったかもしれない。
それにくらべると今いる場所は、地面の露出度が圧倒的に高い。そうすると水のしみこみ方、蒸発の仕方による気温の差は必ずあるし、埃の舞いかたも違うような気がする。土があればなんとなくそこに落ち着くはずの埃が、空中を漂っているような気がする。。。のは東京の都心部に用事で出かけた時に感じる。
地元の人たちは雑草対策が大変と言って住宅でも駐車場を一面舗装してしまったりするのだけれど、そしてまあたしかに草の勢いって大変だなと畑でしみじみ思うのだが、やっぱり可能な範囲で地面はある程度露出している方が、熱や水分、さらに気持ちのバランスとしては感じが良いような気がしている。