軽井沢町内は、7月25日から8月いっぱいが工事自粛期間となる。騒音や工事車両の交通量を抑えて保養地の環境を守るためとのこと。
自粛期間に入る2、3日前に軽井沢の建売別荘の現場を見に行ったら、すでに建物が竣工したほうは監督さんの日々の水やりのおかげで芝生の種がだいぶ発芽して緑が涼しげ。建物の中も窓を開けるだけで実際涼しいです。
追いかけて工事中のほうは、外の足場が取れて、中は内装と設備器具待ち。外構の駐車スペースとアプローチだけは自粛期間前に終わらせたいということで、今年は異例と皆さんが言う猛暑の日差しのなか、4、5人の職人さんが集中して入って一気に工事中だった。そして据えたばかりで申し訳なくも、アプローチの枕木の高さの調整をお願いし、快く対応していただきました。ありがとうございます。
思いがけず2棟並んでプロジェクトが進んだ結果、サイズ感と素材感は同じでプランと外形は異なる2棟の住宅が庭を連続させて建ち、小さい1棟では出せない広がりや落ち着きが出たなあと思って見ていたのだが、そのあとお会いした現場監督さんは、購入検討する人に対しては隣りと似ているというのはあまり良くなかったかも〜色違いとかにしたほうが良かったかな〜と、しきりに不安がっていた。そうすると住宅展示場か安っぽい分譲住宅地みたいで逆にこの1角の風情というか価値が下がる気がするのですが、いかがでしょうか。
自粛期間前の何となく気ぜわしい時期がすぎた7月末、平日の日中をあてて済ませなければならない私用が入っていた。そのころ異例の猛暑は信州のこの地にも及んでいて、暑いなか用事をしたあと午後半ばに戻って仕事できる気がしないなあ、そういえば直近の締め切りはないし、じゃあそのまま近場の温泉でも行ってみるかと思い立った。さらに今週はその後も私用がちょこちょこ入っているし、ということで、なりゆきで急遽はやめの夏休み取得を自分に宣言。
いちどチェックしてみようと思っていた諏訪の「リビルディングセンター」を見がてら、上諏訪の温泉へ1泊。リビルディングセンターは、解体される民家などから古材や家具、古道具などをレスキューしてきて再活用、販売している団体だ。身近にもレスキューすべき現場がたくさんある県内在住の我々がそこで実際に購入するかどうかは別としても、センスの良い活用の方法や可能性、集まってきた感じの良い古道具を見るだけでも興味深かった。(こうして振り返ると夏休みと言いつつ半ば仕事がらみですが)
同じ時期に東京の同級生から、「休暇でイタリアのコモ湖に来ています」というメッセージとともに世界的リゾート地の絵葉書のような写真が届いたので、「夏休みで諏訪湖の温泉に来ています」と写真を返信。山の緑を背景にに湖からふく風がさわやかで、ほんのりとアルプスの湖に見えなくもない。。諏訪湖は有名な大花火大会のほかにも、夏の間毎晩15分ほど花火が上がるそうで、夜も湖畔や温泉街を人がそぞろ歩いたりしていて、思った以上に観光地で、なりゆきスタートにしてはちゃんと夏休み感を味わえました。
翌日に帰って一瞬仕事をしてから、今度は小諸の小さな温泉宿へ。近所すぎて日帰り入浴しかしたことなかったが、泊まった人から意外に(すみません)食事がおいしいよと聞き、1度試してみようと思っていた。建物は年季が入った湯治宿という風情だが、家庭菜園で採れた新鮮な野菜づくしの料理は、家の食事ではしないような細かい工夫がされていてたしかにおいしく、夕食も朝食もたっぷりいただいたが胃に優しく、ここ独特の濃い温泉と合わせて何だか体がすっきりした感じ。
2つ目の温泉泊から戻ってまた少し仕事を挟み、なりゆき夏休み週間の最後は小諸の山のほうでライブに参加。個人のかたが主催するお祭りの一部だったのだが、行って見たら広場に思い思いにテントをはって泊まり込み、ワークショップをしたり美味しそうな食べ物屋さんがたくさんあったり、老若男女があつまって子供は群れで遊びまわり、見たことのないラブアンドピースな雰囲気で、たのしそうな別世界でした。こんなイベントを何年も運営するなんてすごいなあ。人徳か。
ライブは敷地内にある体育館で。よほど暑いだろうと思っていたけれど、さすが山の林のなか、暑さはまったくなく、久々の広い空間で薄暗くなっていく待ち時間も開放感を満喫。力不足ながら誘っていただいたバンドはこのイベントの常連らしく、「なんかみんなすごい踊ってる!」とは思うのだが、残念ながらそこまでつぶさに客席を観察する余裕もなく、でも子供たちが最前列で踊っているライブはこれまでで初めて。いい光景でした。慣れないことをして体力を気持ちよく使い果たしました。
そしてなりゆき夏休み後の週末、以前の勤め先の上司・先輩が遠路はるばるいらしたところにご一緒して、追分の平岡文庫の庭で小説家の講演会を聴き、普段お会いできないような文学に携わる方々のお顔を拝見した。帰りがけにかわいらしく気持ちの良い文庫に入って本の背表紙を眺めていると気持ちが落ち着き、夏休みの最後に読書感想文を清書する午後を思い出す。夜も薄着で虫の音を聞きながら外を気持ちよく散策できたりして、もちろん夏だからなのですが、数ヶ月後にはこの緑がすっかり消えて道路は雪だらけなんて信じられない。