11月5日の朝、窓から外を見ると地面が真っ白で、今シーズン1番のがちがちの霜が降りていた。
寒い証拠なのだが、庭の豹変ぶりに思わず外に出てみる。その頃はまだ紅葉も盛りに入るころで、遠くを見れば色づいた森、空気はきーんと冷えて透明感があり、足元はあらゆるものが文字通りの霜降り模様。季節の移り変わりを実感して不思議と気分が上がり、朝食をすませて仕事を始める前に、最近とくに汚れが目立ってきていた仕事部屋の窓の外側をざっと拭いてみることにした。
夏の間は見て見ぬ振りをしていた窓の汚れが、ここのところ気になってきたのは多分季節のせいもある。あたり一帯の地面の作物や草が枯れて土が露出し、乾燥した空気のなか風の中に砂ほこりが含まれて、雨上がりの窓のちょっとした水分にしっかり付着するようになったこと。そこに、冬至に向けて日差しの角度が低くなり、ガラスを舐めるように光が射すので、特に朝や夕方、水玉模様がくっきりと浮かび上がること。
ピカピカにしようと思うと荷が重いし仕事に移れなくなるので、ぬるま湯に浸した柄付きのモップでざっと汚れを落とし、濡れ拭きからの乾拭きでざっくり仕上げて良しとする。
道具を片付けて、いいウォーミングアップになったわと思いながら机に座ると、外の景色がぐっと明るく見える。悦に入って写真を撮り、窓を視界の背景に、図面の続きに取りかかった、、と思ったらその視界に何か飛び込んできて、窓ガラスにばちーんと衝撃音が起きてびっくり。その何かはばさばさと窓の前の庭木に後退。小鳥が窓ガラスに衝突したのでした。思わず立ち上がって確認。本人(本鳥)はその後も元気に枝をぴょんぴょんしていたので、けがはない模様。
掃除後の窓に空が映って間違えて突進したか、自分の姿が映って他の鳥と勘違いして攻撃したか、いずれにしろガラスがきれいになりすぎて罪なことをしちゃったわね、、と少し胸が痛んだ。が、午後になって今度は西日が舐めるように差し込んでみると、ざっくり拭き掃除のあとの拭きムラが全面に薄い模様を作っていて、罪なほどきれいなガラスではありませんでした。ちぇっと思いつつも、やらないときの土色の水玉模様よりはましだなと自分をなぐさめる夕暮れ。
そして20日経ったいま、窓の外の葉もほぼ落ちて、冬はすぐそこです。